就業規則の運用について(DSS:労務Q&A)
Q.就業規則を作成し運用を開始したい。社労士に依頼して基本案を作成していただいた。賃金規定や有給の運用について下記の点が気になるが問題となる点はないか?
・各手当の金額と支給対象者(職種ごとに細かく規定されている)
・通勤手当が妥当かどうか(非課税内だが規定より多く支払われている)
・賃金改定昇給時期(毎年4月に定期昇給しているが定額で高い)
・賞与支給に関する対象者と加算について(月数と加算が規定されている)
・有給未消化分買取について(消化できない部分を買取できるようにしている)
・残業手当の支給単位について(タイムカード通り1分単位で支給している)
・時期指定休暇の運用について(夏と冬の休みが5日以上ある)等々
A.就業規則は各医療機関によって異なる部分が多い。診療日時の設定やスタッフ体制、職種等によっても異なる。手当等には残業にどこまで含むかも含めて検討しなければならない。通勤手当も税法上の非課税範囲で設定しなければならない。スタッフのことを考えて多めに設定しても収入が下がったり、社会保険料設定に加算されるので注意が必要になる。定期昇給の実施についても収入が常に安定する時代ではないので、金額までを明記する事は避けたい。就業規則に記載すれば変更する場合には届け出が必要となる。賞与についても同様で金額を規定すれば原則としてその金額(または基本給×〇月分)を支払う義務が発生する。有給、買取は原則不可であるので有給が取得できるような勤務体制を整える必要があり、4日を超える夏休みや年末年始休暇を取るようであれば時期指定休暇として有給扱いすることも問題ない。残業については、タイムカード優先ではなく、残業申請を提出させコントロールしなければならない。医療機関の収入変化はスタッフも敏感で理解してるが、口には出さない。しかし、収入の変化の時代、それに対応できる就業規則の決め方が必要になる。新型コロナの影響による患者減少の中、いい機会だと考え、今後の運営を考えた就業規則の検討が必要である。