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リニューアル記事【クリニック事務長事件簿 職員トラブル パート1】(DSS:トラブル)

[2011.01.01]

 【クリニック事務長事件簿 職員トラブル パート1

 

開業後のクリニックは、常に予想外の問題の解決で追われることが多い。

その中でも人事や労務の問題は、特に医療機関にとって頭の痛い問題となる。

クリニックのサポート機関として、また事務長として採用にあたり多くの人材を面接

するが、人材の選択ほど難しいことはない。

今回は、業務に問題が発生し、年齢的な問題もあると考え退職勧奨した

パート職員がユニオンに加盟したことにより発生した労働問題を取り上げる。

 

ここは、都心のベッドタウンとして郊外にある病床数19床のG整形外科である。

患者数は、一日180人前後であり、患者さんの内容は、病床のないクリニックに

比較して病状も中等度患者さんが多く、手術件数も多い。

リハビリテーションについても東洋医学も交え、病状を良くする治療内容は豊富である。

 

このクリニックに7年以上勤務しているF鍼灸師との間で労働問題が発生することになる。

この鍼灸師は63歳の女性であり、以前から患者の評判も良く、治療効果も上がると

院長も評価していた。しかし、60歳を超えてからいくらか体力的にも少し衰えが見え、

勤務日数も週4日から週3日に62歳になってから減らしていた。

ある日、患者さんより電話があった。

「家に帰ってみると鍼が1本刺さったままだったけど大丈夫ですか?」との苦情である。

びっくりして治療担当者を調べるとF鍼灸師であった。

本人を呼んで話を聞いてみるが、針の抜き忘れに対して確信はないが

可能性はあるかもしれないという。急いで患者さんのところへ伺い誤るとともに

鍼を回収して戻ってきた。患者さん問題にしようとは考えていなかったので

来院時に院長にも誤っていただいて患者さんとの問題は解決した。

 

しかし、当然今後F鍼灸師に治療を継続させてよいかどうかという問題について

協議をしなければならない。他の鍼灸師にF鍼灸師の治療状況や患者さんとの

トラブル等調査したところ、治療部位の間違いや小さな口論等があることが

わかったためこのF鍼灸師については退職してもらう方向で意見が一致。

 1ヵ月の猶予を持って退職していただくように本人と話し合うこととなった。

 

その決定の数日後、業務終了後、F鍼灸師を呼び出し、会議室にて本人に

「今回の問題や年齢等を踏まえ1ヵ月後に退職して欲しい」と促した。

時間もパートであるため、年齢的にも定年後の再雇用ということで簡単に

交渉は成立するものだと考えていた。

するとF鍼灸師は「話はわかりました。一応考えさせて下さい。」

と即答をさけ帰っていった。

院長や事務長とは、「特に嫌だとの話はなかったのでたぶん問題なく

受け入れるでしょう。パート職員でもあるので問題にしようがないですよ。

年齢も定年後の再雇用であるし、今回の問題も理解しているはずですよ。」

とどちらかというと気楽に考え、後は退職日の調整だけであると考えていた。

 すると翌日Kユニオンの委員長というA氏から突然電話があり、

「Fさんの退職勧奨に関する件で話し合いをしたい。」との申し入れがあった。

当然クリニック規模でこのようなことはあり得ないと考えていた我々はびっくり

したがとりあえず日程調整をし、翌週にクリニックの会議室で話し合うことに

決定し、その対策を練ることとした。

 

誰もがユニオンとの労使交渉の経験はない。また今回のようなパートで定年を超えた

職員の退職問題でこのような経過を予想する事さえなくただ退職日を交渉で

1ヵ月ほど延長することで話はまとまると考えていたのである。

 

クリニック側としてどのように対処すればよいかわからないので労働問題に

詳しい弁護士を探すことでその対策を考えようということになった。

パート2へ続く

 

 

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