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東日本大震災に対しての対応日記(DSS:ルート50)

[2011.04.19]

東日本大震災に対しての医療機関の対応日記

東北関東大震災が発生し1週間が経過しようとしている。直接の被害はなかったが医療機関や介護施設は計画停電等日常どのように対応しているのかを掲載していこうと思います。今までにない地震によって医療機関がどう対応していっているかまたどのように対応しなければならないのか考えてみたい。

その7

計画停電もなくなり落ち着いてきた。一時的に止まり気味だった患者さんも戻ってきている。それぞれのクリニックでも地震の日の行動を振り返ったりして地震発生時の対応を見直している。器械を止めたとか患者を誘導したとかあわてて何もできなかったとかさまざまである。地震当日は、それなりだったが日が経つにつれ各職員が地震に対して対応策を考えてきている。今後も大きな余震が考えられる中気分的にはまだまだ落ち着くには時間が必要である。また某クリニックでは大学の医局から津波で亡くなった先生への募金活動の手紙がきていた。診療中だったと見えて逃げ遅れたらしい。患者さんを誘導してのだろうか?地域医療のため一生懸命がんばっていたのにと考えると無念である。原発の大変だが、実際津波にあったところはもっと凄い!日本人の心が疲れないうちに、人の心が折れないようにそれぞれが何かを考え行動に起こさなければならない。

その6

医療機関も計画停電が減少したせいで落ち着きを取り戻している。計画停電時の対応についても基本的に休診が一般的となっている。患者さんの動向に関しては、子供自己負担のない医療に関する部分は減っていないが、負担のある年代に関しては減少傾向とみられる。整形外科などは減少傾向が強いと感じることは多い。

このような中で出張のため大手旅行会社の知人に連絡した。すると当然旅行は激変、返金の嵐だったそうだ。日本人が外国に行くことは減ってないそうだが、外国人はほとんど来てないそうで、会社側が組合と一時的に給与削減交渉をするそうで一律15%のダウンの交渉となるそうだ!

この1ヶ月間の行動の変化は凄い。これであればやはり経済にも影響は大きいはずである。医療も安閑とはしていられない。企業以上に変化は難しい。何をすべきか考えることも重要だ。所得補償保険を検討してみる事も必要である。

その5

計画停電も随分落ち着いてきた。それとともに人の心も幾分か落ち着いた。医療機関も自分たちを見失いそうになったけども元に戻りつつある。未だにその対応は医療機関によって異なり、医師会としてのまとまりはない。医師会の動きとして見えるては義援金の依頼中心である。果してこれでよいのだろうか?

安定のもとに守られると思っていた医療機関の関係者は、計画停電での他の職業と変わらない国の対応に戸惑いを持っている。しかし、被災の凄さを考えると これまでの医療優遇の考え方は通じない。

日常は、意外に静かに日々過ごす。常時に緊急連絡や非常用食品等の見直しを実施する事も多い。そばでサポートをしていると意外にある種の弱さを感じることもある。特に診療所は小さな商店と同じで10人未満の職員を抱えて女性従業員が中心である。主婦層の多い医療機関は、意外にしっかり考えて進めることが多い。20代中心の診療所は怖いが最優先となり、雰囲気が浮ついてしまう。

どのような事があっても基本的に医療機関を維持していくためには、経費削減が重要なポイントと考えるようになる医療機関は増えている。

某鍼灸院から相談があった。前年の売り上げが130万であったが地震発生後40%減となり約80万円となり職員の給与体系を考えなければ経営していけなくなるという。深刻な問題である。今後このようなケースも出てくることが予測される。医療機器等も含めて物を大切に使用する事も重要である。節制節約が重要と言えるのではないか。

その4

計画停電による影響は、同じグループの中でも全く停電にならないところ、常に停電になるところ、ときどき停電になるところと全く一貫性がない。常に停電になっているところはすでに3回以上停電しておりその影響は収入に出てきている。このような状態が4月一杯継続する事を考えるとクリニックへ対する影響は大きい。

職員に対しても当初は休業補償等を検討していたが、このように収入に影響を及ぶす状況では、労働基準監督署の見解通りに計画停電の場合には、ノーワク、ノーペイの考えでいくしかないと考えてしまう。地震発生の現地と比較すれば当然贅沢はいえないが、経営がある以上楽観してはいられない。

電気のない診療を初めて考えさせられる。しかし、安全性を考えると停電中に診療を行うこと自体がリスクが高くなる可能性が高くやはり踏みきれない。

職員もだんだん慣れてきているが、出勤し停電になると何もできず、電話も携帯電話以外は通じず、電気がなくなるとプツンと切れてしまいそれ以後は充電もできず計画停電解消となるまで連絡がつかない。とにかく連絡がつかないという現実にお手上げ状態である。職員の連絡体制等考え直さなければならない課題は多い。

その3

地震直後、計画停電のなかった13日までは特に何の問題もなかった。14日から始まった計画停電については、対応が分かれた。23区と23区外では対応が大きく異なった。23区外から医療機関へ出勤する医師がいる診療所は休診とする場合が多く、23区外では停電の影響や職員の通勤を考えて休診とする診療所が多かった。

計画停電と指定される地域の中でも停電となる地域とならない地域があり、同じ地域でも停電になる場合とならない場合があるなど全く一定しない計画停電に振り回される状況となっている。

14日は郊外からくる職員のために週の前半は午後3時までまたは午後5時まで終了する診療所もあった。その後は計画停電の様子を見ながら診療時間を決定している。患者さんのためにと計画停電時間中に診療を実施した診療所もあったが、来院した患者さんから寒いとか遅い(会計が手計算)との苦情があり、停電時間中の診療は止めたケースもある。

やはり計画停電中の診療は十分注意した上で患者さんに診療所の状況を理解してもらいながら会計に関しては、概算で預かり金とし停電でない時に清算する方法が良いと考えられる。

その2】 

3月14日地震発生時、クリニックの3階にいた。揺れが普通と異なる感じだったので自宅に連絡注意するようにと話している途端に大きなゆれになった。これは大変だと思っていると書棚の本書類が落ちてきて今までにない揺れである。通常動かないものまで簡単に動いてしまった。これは大変とクリニック内を点検、特に大きな損傷ないことを確かめ、患者さんにも問題ないことを確認し、取り合えずテレビで地震の震源地を確認した。これは東北が震源地であることを確認後関東では大きな影響は少ないと考え診療を継続した。しかし、テレビの状況で津波が凄いことを確認、また電車が止まっている情報を得ると診療を中止することを決定。午後4時で診療を中止、クリニックの前に臨時休診のお知らせを貼って職員全員帰宅した。

駅ではすでにシャッターが下ろされ誰も入場できないようになっている。周辺のお店も閉めているところが多く入れそうにない。タクシー乗り場には人が50-60人並んでいた。これは身動きできないと考え再度周辺の喫茶店を探すとまだ座れるお店があったのでそこに入る。通常いつも4-5人しかお客さんがいないお店は満員になった。意外にお客さんたちは落ち着いている。ケイタイのテレビを見ながら1時間ほど経過する。どのお客さんも帰ろうとしない。電車も動きそうににない。これは歩いて帰るしかないと思ってお店を出て歩き始めた。

駅を通るが状況は変わらず入り口のシャッターはしまったままである。タクシー乗り場にはさっきの倍以上の人が並んでいる。携帯電話は通じなくなり、メールも送信するが、やりとりにタイムラグが

その1

東北関東大震災に発生により計画停電が始まった。国は大震災に対して対策を最優先している。現場では混乱が続いている。

3月14日からスタートしたがこの日対象となった停電地域は交通機関の影響もあり、休診する医療機関は特に23区外については多かった。医療機関として頑張らなければと電車が動かないと自転車で出勤してくる職員もいる。

しかし、診療予定といいながら休むことを前提に動く医師もいる。職員の方が業務遂行に対する熱意は高いことがわかる。医療機関に携わる者として何かを考えなければならない。

患者さんから本日診療していますかと留守電に電話が入る。薬がどうしても欲しい患者さんには医師が出勤出来ないので来院していただき医師と電話で話をさせ処方したところもあった。患者さん4人が利用した。

計画停電と言っているが対象となっても停電にならない日がある。そうすると医療機関としてどのような対応をしていけばよいのか戸惑ってしまう。停電をするならきちんと停電して欲しいとの声もある。

計画停電にならなくてもあらかじめ診療時間を午後3時までとして医療機関もある。職員体制や職員の帰宅に対してどう対応するのか言う点を考えての対応である。これも一つの方法と言えるが医療機関同士の連携は全くなく医師会等からの情報等もない。このような災害等の場合医療機関同士がどのように連携して患者さんに対して対応するのか大きな課題だと思われる。

 

 

 

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