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分院赤字理由による賞与カットへの勤務医の不満(DSS:職場活力)

[2020.05.09]

複数の医療機関を抱える医療法人から医師給与に関する相談があった。この医療機関は年棒制ではなく、賞与を含めた月給制である。今期は分院を開設したのでそこの開設費用等もあって決算は赤字となった。よって冬の賞与は全体の業績に応じて前年よりもカットして支給。もちろん分院の院長及びスタッフの賞与はゼロである。理由は話してあるが、勤務医より不満が出たようだ。今後どのような給与体系が適しているかという内容である。

複数の診療所を持つ医療法人の勤務医(管理者も含む)は、年棒制や業績応じた歩合制を取り入れているケースが多い。一般のスタッフと同様な日給月給制を取っているケースは少ない。相談を受けた医療法人の医師の年収を確認した所、理事長年収は、普通より10~15%程低いが、分院長または勤務医の場合は他と比較しても10%程高いと思われた。

病院と違って診療所ではその期の業績に連動した日給月給制を勤務医に取り入れるケースは少ない。その理由として前期または前年より下がった場合は不満に繋がりやすいからである。また、賞与時期に金額について交渉されるケースもある。経営側の足元をみられて予想以上のUPになるケースもある。基本的には年棒制とし、各診療所毎の決算状況に応じて再評価、年度毎に新たな雇用契約を結ぶことを勧めたい。

医師としての経験年数や診療科目によって給与水準の違いもある。複数分院を持っている医療法人では、発生しやすい問題でもある。一定の理由がない限り、年棒が下がらないような雇用契約にしておきたい。しかし、医療法人全体として想定外の理由のより、大きな赤字となり経営に影響を及ぼすような事が発生すれば、説明をした上で協力を求めなければ、経営は成り立たないことある。診療所を中心とする医療法人の場合、勤務医の給与は年棒制とし、業績に応じた評価を年度毎に考える方がトラブルになる確率が低く管理しやすい。

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