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リニューアル記事【クリニック事務長事件簿 患者クレーム編 パート1】(DSS:トラブル)

[2011.05.01]

クリニック事務長事件簿 患者クレーム編 パート1

病院やクリニックの運営に携わって28年の中から参考になるような小さなことからえっと思うような経験を記事にしてみることにしました。日常運営のヒントにしてしていただければと思います。

【 Aクリニックでの出来事です。】

 夜8時頃、突然携帯電話がなった。コンサルティングをしているAクリニックの院長である。今、患者さんの家族(両親)がきて「治療内容のクレームがあった。明日にでも クリニックに来て欲しい」とのこと。 「どのようなことでしょうか」と聞き返すと「交通事故の患者の治療内容について」とのことだった。 「お金を請求されましたか」とたずねると「まだ請求されてないがたぶんそうだろう。」との返事。「治療内容はそん なに大変なんですか」と聞き返すと「そんな内容ではない」との答えた。

全体像が全く見えないのでいったい何なんだろう。内容がたいしたこと無ければよいが とにかく会って話をきくしかない。医師賠償保険は加入してあったかな。というようなことを考えた。 

翌日の診療終了後の6時半にアポイントを決め伺うことにした。Aクリニックは整形外科、リハビリテーション科を標榜している。一日の平均外来患者数は、160-180人の無床クリニックである。人事管理を中心に月2-3回の運営コンサルティングを開始、3年が経過 している。院長は、50代後半患者さんを診察する姿勢はどちらかというと昔気質であり患者さんにも強く、職員に対し ても厳しいタイプである。クリニックに伺いS院長にあった。日頃のの強気とは異なり、困ったという顔つきだった。

内容は、追突事故で罹っている患者Cさんのことであった。患者Cさんは、頸椎捻挫で治療にかかっており、治療は問題なく行われていた。リハビリテーションや投薬、鍼灸治療等を実施、患者さんは一時仕事に復帰していた。その後1ヵ月ほどの期間をおいて再度具合が悪くなり、通院しはじめ鍼灸治療を再開した。鍼灸治療担当者が退職で担当者が変わった後、さらに症状が再び悪化し、仕事をたびたび休むようになった。仕事を休むようになった原因は、鍼灸治療担当者が変わった影響と治療方法に対する院長の診療指示等が悪い。「仕事に復帰できない責任をどうとるのか」という内容である。

患者Cさんは20代後半の女性、本人は来院せず両親が院長と面談、一人で対応したところ、「診療方法や治療が悪い」と一方的に大声で言われ、特に母親は感情的であり、「このまま仕事に復帰できないなら一生面倒を見て欲しい」というくらいの勢いだったとのこと。その雰囲気と迫力に何故か思わず頭を下げてしまった」というのである。日頃、強気の院長もその迫力に押されたという感じに受け取れた。何故か「収入はどのくらいあるんだ」と聞かれ「1億5千万くらい」と答え、「相談してこちらから 連絡させてもらう」と話して帰ってもらったとのことである。交通事故の治療は、保険会社を含めいろんな問題を抱える可能性が多い。今回も嫌な予感がした。

詳細について担当者の聞きとりを含め調査後、患者を含めて両親と会うことを決めた。2日間カルテ内容やリハビリや鍼灸治療時の状況を調査し検討した。内容は明らかにクリニック側に医療ミスとなるような内容は見られない。患者自身の通院も不真面目であり、担当者の治療中や次の通院時に訴えなどなかったとことも判明。問題とならないと判断した。明らかにゆすりたかりのたぐいではないかと感じられたが、患者さん側の要求がはっきりしないので慎重に対応することが大切である。

院内だとまた喚いたり、脅かされる可能性があるので一旦外で患者及び両親とあって再度内容を確認することとした。 翌日患者Cさんに連絡したが、本人が出ないため父親日時を決め、クリニックの近くのフィミレスで話し合うことになった。電話での対応や話しぶりから、今回のような交渉は初めてではないと想像された。

患者Cさんは、20代なのに本人は全く出てこないし連絡が取れない。両親そろって対応してきているので長引く(こじれる)可能性は高い。簡単には納得しないだろうと考えた。民間の保険会社や知人の弊社の顧問弁護士に対応方法を聞いたところまずは患者側の要求を確認することが良いとのことであった。

  パート2へ続く

 

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