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クリニック事務長事件簿「職員トラブル編 パート3」(DSS:トラブル)

[2011.05.01]

クリニック事務長事件簿: 職員トラブル編 パート3

最初の交渉後、早速弁護士に状況を相談した。「どのように交渉すればよいですか?」との問いに「うーん、もう少し交渉の様子を見ましょう」と全くどのような方向へ話が進む可能性があるとか、このような点について注意をした方が良いとか全くアドバイスがない。少なくとも全く経験がないということがわかってくるような返事である。この弁護士は頼りにならない弁護士と想像出来る。弁護士事務所とはこういう対応なのか?これじゃあ如何にも相談にのっているようで、的確なアドバイスなど期待できない。

それではと社会保険労務士を探して聞いてみるがこれもまた机上の話のみで具体性に乏しく現場を経験している人は少ない。これは自分たちで解決していくしか方法がないかもしれないと覚悟が必要だと考えた。

副委員長と1週間後、クリニックで会うこととなった。前回との雰囲気と違っていて柔らかい。「それで要求を考えていただきましたか」という問いに「有給休暇未消化分と解雇予告手当としての1ヵ月分については検討します。慰謝料については全く支払う気持ちはありません。」と返事をした。

すると副委員長は、「彼女も職場復帰は出来ないと考えているので金銭的に解決でればいいんですよ!その金額では納得できませんよ!」というので「こちらも患者トラブルについての書面を作成し、患者さんからも書類をいただいています。またトラブルは1回ではありませんので数名分準備していますから」と言うと

「我々も彼女からの話だけなのでよくわからない部分もあるんですが、本当にそのような内容はあるのですか!」と聞くので「今までは我々が患者さんと話して穏便に済ませてきましたが、今回の様なことであればこちらが彼女に対して損害賠償をしたくらいですよ。何人分か準備していますから時間をください。」と答えると「そうですか、そんなにあるんですか?こちらも彼女に聞いてみます。来週お電話します。」と言って30分ほどで話し合いは終わった。

ユニオン側も患者トラブルが複数あるということにちょっと話が違うと感じたようである。初回の交渉よりこれは有利になってきた。と感じた。院長に1ヵ月分の給与と有給未消化分については支払うことについて許可をもらった。弁護士に一応相談はしてみた。以前と変わらずこのように対応すればよいという返事はない。この弁護士は全く使えないと判断し、何かあったらこちらから連絡しますといって弁護士には頼らないことを決めた。

翌週ユニオンの副委員長から電話があり、「もう少しお金を出せませんか」というので「前回と同様です。それ以上というのであればこちらは患者トラブルについて徹底的に明らかにしていきますから」と返事をすると「そうですかわかりました。またこちらから連絡させていただきます。」といって電話を切った。要は少しでも多くお金をもらって早く解決したいということ、そして彼女にとって不利な状況が確実にクリニック側が持っているのでユニオン側も強硬には主張できないと言う感じが理解できた。そして数日後ユニオン側から連絡があり、再度もう少しお金を増やせないかと要求があったが、拒否すると有給未消化分と1カ月分の給与で決着することで書面をかわすこととなった。

弁護士に結果を話すとびっくりしたようであったが、早速相談料を請求していいですかとのことである。とんでもない弁護士だとは思ったがタイムイズマネーの職業である。おいくらですがと聞くと

「10万円お願いします」というので了解した。弁護士も選ばなくてはならない。

今回の件はこの鍼灸師を以前事務長がそろそろやめなきゃいけない年齢になってきたというような話をした時にユニオンに加入したことがわかった。職員に対する不用意な発言はあらゆるきっかけになる。パートだからと甘く考えているとこのようなことが発生する。また弁護士を利用するにしても本当に経験のある弁護士でなければ全く意味もない。また経験があったとしても相当のトラブルでなければ利用する利点は少ない。パートに関しては、雇用契約等十分に検討しておくことが必要と言える。またこのような労使問題は、相手も精神的に揺さぶりをかけることが大きな目的の一つと言える。動揺せず冷静な対応が必要である。

 

 

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