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いやーまいった「なかなか入れないやきとりや」2009年11月(DSS:ルート50)

[2009.11.23]

【いやーまいった:なかなかはいれないやきとりや

新宿:思い出横丁

 

いやーまいった」という題名の語源は実はやきとりやさんの親父さんの言葉である。このお店を知るのは四国の香川に出張の帰り、この横丁を通ると遅い時間ながらも(午後8時頃)まだお客さんが並んで待っているお店があった。今日は入れないなと思い別の日に改めて来てみようと今度は7時ごろ行ったがまた入れない。そのような事が続いた後、どうせ開いてないだろうと5時ちょっと前にお店の前を通ったところ、開いて思わずはいってしまったことがはじまりであった。

 

お店に入るとカウンターと奥にテーブルが一つあるだけでお客さんが14-5人も入ると一杯である。お店にはメニューとおぼしきものがなく、入口にもつ煮込みの入った鍋とその横には裸の板氷の周りに串に刺したもつが並べて置いてあるだけで5-6人のお客さんの前にはビールかお皿の上に乗ったグラスと串に刺さったやきとりの乗っているお皿だけで他には何も見当たらない。

 

カウンターの上には刻みネギとコップと醤油、それから串に刺した野菜が少々、やっと入れたが何を頼んでよいやらわからないでいると、親父さんが声をかけてくれて「ビールでいいですか」「それと煮込みでいいかな」というので「はい」と答えると、ビールの大瓶にグラスともつ煮込みがお皿に三本出てきた。もつ煮込みにはその煮込みのスープも入れてあり、「スープを飲みながら食べて下さい」「熱いうちに食べてくださいね」と注釈つきで出された。もつでいうとシロ(腸)の部分の煮込みである。

 

ビールを一杯飲んで食べ始めるとこれが味噌煮込みで「うまい」と思わず言ってしまうほどである。上品なおいしさとはかけ離れているが、この美味しさはもつ焼きを知る人であれば誰でもわかるほどの味である。これは並ぶはずだと思いつつも、次はやきとりなので周りのお客さんの注文の仕方を見ていると、板氷の周りに置いてある串に刺された串を注文している。煮込みを食べ終わった後、私も4-5本頼もうとすると2-3本頼んだ時点で「後はまた食べてからにしてください。」とぴしゃり、おとなしく待って食べてみると肉の量は少ないが、冷凍の肉と違っていて肉に味があり非常に美味しい。「ここの肉は新しい、いいお店を見つけたぞ」と思いながら食べていると、右隣のお客さんが「御馳走さま」というと、テーブルの上に並べてあった串を親父さんが広いあげて数えると「はい、3,300円です。いつもどうもありがとうございます。」と答えるとお客さんは支払いを済ませ「御馳走さま」といって帰っていった。レジも電卓もそろばんもない。「今時珍しいお店だな」と思って、何気なく、目の前の申し訳ないが少し汚れた棚を見るとそこには串の本数と金額が書いてある一枚の紙が貼ってあった。これで計算していることがわかるとともに、そこを見て初めて串一本の値段が150円とわかった。

 

通常1本100円のもつ焼きに比べれば1.5倍、でもその価値は十分あると納得した。お客さんは40-60代中心の中年の親父さんたちであり、一人あたりの単価も1,000円から3,500円とふらっと来て食べてさっと帰る、周りを気にすることもない昔ながらの味わいのあるお店の雰囲気は、誰もが常連になっていく予感をただよわせていた。

 

 

 

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