開業医の病気急逝リスクと意識すべき閉院精算方法(DSS:危機管理)
病気による急逝のリスクと、開業医が意識すべき清算方法
開業後病気による急逝は誰にでも起こりうる。借入金返済を優先し、家族に迷惑をかけないための閉院清算方法を意識し準備することが重要です。
開業医を取り巻く環境の変化
開業医を25年以上サポートしていると、医師の様々な面が見えてきます。年齢を重ねるにつれて無理が効かなくなり、スタッフへの接し方も穏やかになります。また、年を取ったと感じる場面も増えてきます。
診療における変化
緊張感を持って診療を続けることは重労働であり、検査や処置などで小さなミス等危ないケースが増えます。一人当たりの診察時間が長くなり、診る患者数が減る傾向も見られます。
60歳からの新たな局面
60歳を超えると、多くの医師が体力の衰えを感じ始めます。開業15年ほど経過し、借入金の返済が終了すると、精神的にも楽になります。借入金がなければ無理をしなくても良くなり、ようやく一息つけると感じます。家庭でのトラブルや子供の教育問題など、新たな問題に直面することもあります。人生は決して思い通りには進まないものです。
クリニックとスタッフの変化
クリニックもまた、勤続疲労のような状態になることがあります。院長の体力を心配する声がスタッフから聞かれるようになり、スタッフ自身も転職を考え始めるなど、周りも今後のことを考えるようになります。
60歳までに事業資金の返済を目途に
事業資金の返済は、出来る限り60歳までに目途をつけたいものです。万が一の事態に備えて、資金活用できる保険や預金を確保しておくことも重要です。
開業医の急逝事例
これまで、50代半ばで急逝した開業医を3人、40代と60代で発病した医師を4人見てきました。急逝された場合、借入金が残っていても、生命保険で返済清算したケースもありました。土地建物の評価減により家族にお金がほとんど残らないこともあります。
事業譲渡による清算
60代で発病し、診療復帰できずに借入金とリースが残ってしまったケースでは、事業譲渡によって精算することができました。閉院清算するよりも2000万円程多く手元に残りました。高く譲渡することよりも、手元に少しでも多く残すことを優先するという考え方が必要です。
繰り上げ返済と違約金
借入金繰り上げ返済で違約金を支払う契約が増えています。病気や急逝を経験すると、黒字が安定し預金が増えれば、繰り上げ返済した方が良いと考えるようになります。違約金の発生は足かせとなるため、違約金の発生しない返済しやすい融資先や融資契約を検討することが重要です。
家族と共有すべき情報
閉院でも譲渡でも、借入金がなければ清算しやすくなります。融資時に生命保険に加入することが一般的ですが、病気での休業補償や清算は簡単ではありません。事業は自分だけのものではないということを理解し、万が一の事態が起きた時に家族に負担がかからない準備が必要です。経営状況や借入金などは、日頃から家族と共有しておくようにしましょう。
