環境変化に対応し収入を維持するために(DSS:運営)
変化に対応し収入を維持するために
変化に強い経営体制を築かなければ、収入を維持することは困難です。患者減少や競合進出では見栄を張らず、まずは目先の収入を確保し、患者さんを繋ぎとめるための工夫が必要です。
新型コロナウイルス感染症の影響と対応
緊急事態宣言下では、8割を超えるクリニックで患者数が減少しました。特に開業5年未満のクリニックでは影響が大きく、所得が3分の1以下に落ち込み、赤字に転落するケースもありました。前例のない減収は経営危機を招き、閉院や倒産も現実味を帯びました。
多くの医療機関が、診療体制の変更、運転資金の調達、スタッフの勤務調整などを実施しました。緊急事態宣言解除後、患者数は増加したものの、以前の水準には戻っていません。収入を上げるために、発熱外来、PCR検査、ワクチン接種などを導入し、目先の収入を確保せざるを得ない状況となりました。経営を維持するためには、収益に繋がることを優先するしかありません。
変化に対応したクリニックの事例
都市部ではテレワークの普及により、大きな打撃を受けたクリニックもありました。緊急事態宣言から6カ月で閉院したケースもあります。一方、開業当初からPCR検査や発熱外来を積極的に導入し、初年度から黒字を達成したクリニックもあります。診療ニーズのある分野へ一時的にでも移行することが重要ですが、スタッフの反対により実現できないケースも見られました。また、内科以外の診療科でも、在宅医療を開始するなど、事業の方向転換を図る動きもありました。
安定した収入を維持するための戦略
安定して収入を維持しているクリニックは、患者さんが興味を持つ診療を日々追求しています。新しい治療法の導入、流行の外来(新型コロナ後遺症外来など)、安定して稼げる分野(在宅医療、介護など)へ積極的に取り組んでいます。患者目線を考えた自由診療やサプリメントの提供なども、患者さんを繋ぎとめる手段となります。医療機関でしか手に入らないコラボ商品や医療周辺サービスの提供など、選択肢を広げることも有効です。
提案型の診療スタイルを確立し、他院よりも診療範囲が広く、選択肢が豊富であることをアピールすることも重要です。
リスクマネジメントと事業継続
経営環境の変化はいつ起こるか分かりません。急激な減収や受診抑制が発生した場合、患者数の回復には半年以上かかります。診療方針の見直しや新たな収入源の確保といった対策を講じなければ、事業の継続は困難になります。
定期的な市場調査の重要性
市場調査も必要不可欠です。人口構成や受療率の変化は常に起こり得ます。5年に一度は診療圏調査を実施しましょう。環境の変化は収入に大きな影響を与えます。患者さんへの対策を講じ、常に進化しなければ収益を維持することはできません。所得が減少し、患者数を増やせない場合は、アルバイトなど事業外収入を確保することで生活を維持する必要があります。客観的に見て悪い条件ではないにも関わらず、患者数が増えない場合は、診療自体に問題があると考えるべきです。自己責任として改善に取り組まなければ、患者数が増えることはありません。
撤退の判断基準
それでも赤字が続く場合は、期限を決めて移転や閉院を検討することも重要です。赤字が増加する前に見切りをつけ、勤務医として再出発し、着実に借入金を返済しながら生活を立て直すことも選択肢の一つです。
