患者数を過信してはならない。他にないから通院している患者もいる(DSS:危機管理)
クリニック経営において、現在の患者数が多いことを過信してはいけません。競合進出した際、他に選択肢がないから通院しているだけの患者は、容易に他院へ流れてしまう可能性があります。安定した経営を続けるためには、常に患者の視点に立った振り返りが求められます。
クリニック開業における初期投資と健全な資金繰り
社会情勢変化等物価上昇の影響で、クリニック初期投資額は増加傾向にあります。特に東京都市部の屋賃は1坪あたり15,000円を超えるケースも珍しくありません。高額な家賃に加えて設備投資が必要となるため、非常に現実的な収支計画を立てる必要があります。
| 東京都市部の屋賃 | 坪単価15,000円以上の高騰 |
|---|---|
| 設備投資 | 無理な借り入れを避け、経営の余力を残す |
| 資金繰りの差 | 初期投資を抑えることで減収時の元金返済リスクを軽減 |
不測の事態が発生した際、初期投資額の多寡による元金返済の負担は、資金繰りに大きな差を生みます。無理な借り入れによる過剰投資を避け、経営の柔軟性を確保することが重要です。
所得の増加に伴う過信と地域医療の現状
所得3,000万円を超えると、自身の診療スタイルに自信を持ち、地域医療において成功したと確信しやすくなります。所得増加は自信過剰を招きやすく、客観的な自己評価を妨げる要因にもなり得ます。
院長自身は診療方針や診療内容に患者が満足していると考えていても、実際には「近隣に同じ診療科がなく、他に選択肢がない」という消極的な理由で通院している患者も少なくありません。診療技術への信頼と地理的な利便性を混同しないよう注意が必要です。
医師中心の診療スタイルが招く患者離れの危機
患者が増えるにつれ、診療をスムーズに進めるために患者をコントロールしがちになります。開業当初「患者を増やそう」と要望に応えていた姿勢が薄れ、無意識のうちに医師中心の診療になっていないでしょうか。
所得が増えることで「患者要望に応えるのが負担だ」と感じ、診療内容や診療時間に制限をかけ始めることは、患者離れのきっかけとなります。環境の変化によって、これまで築いてきた信頼がガラスのように脆く崩れ去る可能性があることを忘れてはいけません。
口コミへの対応とコミュニケーションの重要性
生活習慣病の方や高齢の患者は、転院の手間を考えて継続通院する傾向にありますが、その信頼は決して不変ではありません。特に女性患者は評価が厳しく、不満を感じた場合には口コミサイトへ投稿されるケースも増えています。
不満の声が続く場合は、診療内容だけでなく患者様とのコミュニケーションに問題がないか見直す必要があります。いつの間にか「上から目線」で患者選別するようになってはいないでしょうか。患者あっての開業であることを再認識し、要望を受け入れる柔軟な姿勢を保ち続けることが、長期的な成功へと繋がります。
