医師が診療を止めるリスクその2(DSS:危機管理)
医師が診療を止めるリスクと向き合う
開業医の先生は、経営が軌道に乗るまで誰よりも長く働き、患者さん一人ひとりに寄り添う努力を続けています。集患のために間口を広げ、リピーターを増やすため無理を重ねる時期もあります。しかし、医師も一人の人間であり、心身の限界や予期せぬ不調は突然やってきます。
特に近年では、感染症による隔離措置や、過労による体調不良などで診療に穴が空いてしまうケースが散見されます。こうした事態が起きた際、何の準備もなければ、積み上げてきた患者さんとの信頼関係が崩れてしまう可能性があります。まずは、自分がいなくなった時のシミュレーションを真剣に考えてみましょう。
代診ドクターの確保という壁
2ヶ月以上の長期休診を乗り切るためには、代診の手配が不可欠です。代診の先生がいるかいないかで、クリニックの存続可否が決まるといっても過言ではありません。しかし、緊急時に即座に動いてくれる医師を見つけるのは非常に困難です。
代診ルートの構築方法
いざという時に頼れるルートを、平時から複数持っておくことが理想的です。具体的には以下のような選択肢があります。
- 大学医局や出身病院とのコネクションを維持し、非常勤医師の派遣を依頼する
- 地域医師会を通じて、近隣のドクターと相互支援(患者紹介)の約束をしておく
- 医師紹介会社に数社登録し、スポット勤務が可能な人材を確保する体制を整える
- 非常勤医師をあらかじめ採用しておき、診療を複数医師体制にしておく
代診ドクターへの依頼はコストがかかりますが、患者さんが他院へ流出する損害に比べれば、必要不可欠な経費といえます。スポット勤務では、安心して任せることができない診療リスクがある事を理解しておかなくてはなりません。通院患者の処方中心にする方法もあります。経営を維持するためには、診療の灯を消さないことです。
まとめ・・備えあれば憂いなしの精神で
医師が診療できなくなることは、クリニックにとって最大の経営危機です。しかし、そのリスクを直視し、対策を講じているクリニックは意外にも多くありません。スタッフへの指示系統、患者さんへのアナウンス方法、代診の確保ルートなど、平時のうちに準備できることは山ほどあります。
私たちの目標は、先生が安心して医療に打ち込める環境を作ることです。トラブルは起きないに越したことはありませんが、起きた後の初動がクリニックの未来を左右します。まずは一度、ご自身のクリニックの危機管理体制を見直してみてはいかがでしょうか。具体的な相談が必要な場合は、ドクターサポートステーションへご相談ください。
クリニック経営の現場に深く入り込んだ事務長代行や開業支援を行っています。医療・介護現場の「リアル」を知る立場から、医師が直面する経営課題を解決するための実践的なソリューションを提供し続けています。
