クリニック経営を安定させる収益構造の再構築(DSS:運営)
クリニック経営において、かかりつけ患者は収益の柱となる重要な存在です。急性疾患と慢性疾患の診療バランスを見直し、定期的に患者をフォローする体制を整えることが、不透明な社会情勢下での安定経営には欠かせません。
クリニック経営を安定させる収益構造の再構築
クリニック収入は、経営の基礎となる「慢性疾患」と、社会情勢や季節によって変動する「流行性・急性疾患」の2つで構成されています。緊急事態下では、急性疾患を主軸とするクリニックほど受診抑制の影響を強く受け、一気に患者数が減少するリスクが浮き彫りとなりました。
| 疾患の種類 | 経営における役割 |
|---|---|
| 慢性疾患 | 安定した通院が見込める経営の基礎となる部分 |
| 急性・流行性疾患 | 繁忙期や流行時に収益を押し上げる変動部分 |
経営安定には、定期的に通院する患者の存在が不可欠です。もし収入が10%減少すれば、所得は20%近く減収する場合もあります。既存患者データを活用し、居住地区、疾病、年齢層などを詳細に把握した上で、適切な広告広報受診誘導を行うことが求められます。
社会情勢の変化と受診行動への影響
昼間人口の多い都市部では、テレワーク普及といったビジネススタイルの変化により、患者数が大きく変動しました。これまでの立地や人の流れに頼った経営ではなく、受診行動の変化に合わせた診療体制診療方法の見直しが課題となっています。
ある耳鼻科の医療法人では、ご子息へ承継準備を進めていた最中、緊急事態の影響で収入が40%減少。患者数の回復目途が立たない状況、承継の再検討を余儀なくされました。受診動向の変化は、医師のライフプランにも多大な影響を及ぼします。
選ばれるクリニックになるための新たな診療体制
これからのクリニック評価は、安心・安全・便利に受診できるかがポイントとなります。外来患者数を適切にコントロールするため、予約制導入、空いている時間帯へ誘導、受診しやすいアプリの活用プラス感染リスクを抑える診療体制が必須です。
患者が減少時期は、ある意味で経営をリスタートさせる好機とも捉えられます。従来のスタイルに固執せず、時代ニーズに合わせた新しい医療の形を模索することが、経営改善への第一歩となります。
提案型医療への転換
今後は、単に受動的な診療を行うだけでなく、クリニック側から積極的に働きかける姿勢が求められます。
- 治療の提案:「当院ではこのような治療が可能です」という具体的な情報提供。
- フォローの充実:「治療後もこのような形でサポートします」という継続的な関わり。
- 利便性の向上:患者にとって使い勝手のいいクリニックとしての付加価値。
診療方針や体制を抜本的に見直し、他院にはない独自の切り口で情報提供を行うことがこれからのクリニック経営には不可欠です。
