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クリニック経営で避けて通れない「まさか」の事態その1(DSS:危機管理)

[2026.04.14]

クリニック経営では、「自分だけは大丈夫だろう」と考えがちがちですが、予期せぬ事態やトラブルは突然やってくるものです。

自然災害やスタッフトラブル、そして院長先生ご自身の体調不良など、経営を揺るがす危機は多岐にわたります。今回は、危機管理(DSS)の観点から、クリニックが事業を継続するために必要な備えと、実際に起こり得るリスクについて詳しくお伝えします。

クリニック経営で避けて通れない「まさか」の事態

クリニック経営において、安全管理事業継続計画(BCP)を策定しておくことは、患者さんを守るだけでなく、スタッフや先生ご自身の生活を守ることにも直結します。平穏な日常の中では想像しにくいことですが、経営の現場では「こんなことはないだろう」と思うことが実際に起こるのです。

例えば、自然災害による浸水被害や、サイバー攻撃による電子カルテの停止などは、近年のクリニック経営において無視できないリスクとなっています。これらに対して、どのような具体的な対策を講じておくべきか、優先順位をつけて考えていく必要があります。

開業時に検討すべき保険と優先順位

開業時には多くの資金が必要となるため、すべての保険にフル装備で加入することは現実的ではありません。しかし、リスクの大きさと発生確率を考慮して、最低限必要なものを選別しなければなりません。一般的に検討される保険には以下のようなものがあります。

  • 医師賠償責任保険(診療上のトラブルへの備え)
  • 店舗総合保険(火災や水災、建物への損害)
  • 生命保険(借入金の清算や遺族への補償)
  • 個人情報漏洩・サイバー対策保険(デジタル化に伴う新リスク)

最近では、新型コロナウイルスの流行時に注目された休業補償も重要視されています。収入のすべてを補償しようとすると保険料が高額になりますが、家賃やスタッフの給与など、固定費の大きな部分を補填できるプランを検討しておくと安心でしょう。

医師の不在という最大の危機への備え

クリニックにとって最大の経営リスクは、院長先生の不在です。開業当初からご自身の病気や急逝を想定している方は少ないですが、私たちがこれまで関わってきたケースでは、急逝されたケースが5件、3カ月以上の長期休診を余儀なくされたケースが4件ありました。

このような事態に陥った際、譲渡承継閉院の判断は迅速に行わなければなりません。病気による休診の場合、患者さんとスタッフの雇用をどう守るかが最大のポイントとなります。スタッフの生活を考え、休業期間中も給与の8割を補償した事例もありますが、その原資をどう確保するかも課題となります。

また、診療を完全にストップさせるのではなく、非常勤医師に依頼して週に数日でも診療を継続できる体制を整えておくことが重要です。診療を繋いでおくことで、院長が復帰した際の患者さんの戻りが早くなり、経営の立て直しがスムーズに進む傾向にあります。

 

 

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