クリニック支配するスタッフは患者を減らす?(DSS:運営)
院長とスタッフの良好な関係性は、クリニックの繁栄に直結する重要な要素です。院長がスタッフを適切にマネジメントできているかどうかは、如実に患者数へと反映されます。
クリニック経営とスタッフマネジメントの関係性
クリニックを私物化し、支配しようとするスタッフの存在は、結果として患者を減らす要因となります。自己主張の強いスタッフは、クリニックが危機に瀕したとしても責任転嫁し組織を守れず、患者は驚くほど簡単に離れて経営危機に陥りやすくなります。
採用段階で見極めるべき要注意な人材
医師の診療スタイルを深く理解し、指示通りに動けるようになるまでには最低1年の期間を要します。スタッフが戦力として育つまでには、膨大な時間と手間、そしてコストがかかるものです。
そのため、3年未満で退職を繰り返す人材の採用は慎重になるべきでしょう。面接時や試用期間中と、本採用後で態度や要望が急変するケースも少なくありません。
ベテランスタッフによる支配が招く弊害
仕事ができるスタッフほど、医師との信頼関係が深まると主導権を握ろうとする傾向があります。自分の仕事がしやすいように勝手に業務手順を変更し、周囲のスタッフを巧妙に支配し始めるのです。
「自分が辞めたら困るだろう」という心理を見透かし、退職届を盾に給与交渉を行う者もいます。一度これに応じて優遇してしまうとさらに増長し、気に入らないスタッフをパワハラ的な圧力で辞めさせることもあります。外部から見れば、医師ではなくスタッフ主導のクリニックという印象を与えかねず、一度そうなってしまうと正常な状態に戻すのは困難です。
現場で起きたスタッフ問題の具体的事例
医師の離反と患者流出を招いたケース
二診体制での継承を予定していたあるクリニックでは、看護師長が診療や検査手順にまで細かく指示を出し、経営にまで口を挟むようになりました。言いなりになっている院長に業を煮やし、継承予定の医師は「一緒に仕事はできない」と退職を決意しました。
その医師が同じ診療圏内に開業したところ、多くの患者が移動。開業初日の来院数は70人を超え、初月から黒字を達成。患者はあくまで医師の技術についていくものであり、特定のスタッフに依存しすぎると、競合出現によって容易に患者を失うリスクがあります。
過干渉な看護師への対処と円満退職の事例
能力は高いものの、常に批判的な口を出すベテラン看護師の事例です。代診医師の処置にクレームをつけたり、事務スタッフを患者の前で叱責したり、その態度は行き過ぎたものでした。患者からも日によっては口調が厳しいと相談が寄せられる状況、仕事はできても「クリニックを守る存在」とは言えませんでした。
このままでは誰のクリニックかわからなくなる。これまでに記録していた苦情や同僚スタッフからのクレームを伝え、退職勧奨を行いました。本人も記録の内容に思うようにならないと判断、「失業保険が受給できれば良い」と円満退職に至りました。
経営の主導権を医師が握り続ける重要性
クリニックにおけるスタッフ問題は、連鎖的な退職を引き起こす火種となります。支配欲の強いスタッフがいる現場では、次々と離職者が生まれます。どれだけ優秀な人材であっても、権限の付与には慎重であるべきです。判断を任せきりにせず、医師が経営と診療の主導権を握り続けることが、健全なクリニック運営には欠かせません。
