わかっておこう【有期労働契約の更新有無と判断基準の明示】(DSS:労務)
【有期労働契約の更新有無と判断基準の明示:その1】
医療機関における有期労働契約は比較的少ない。しかし、利用経験が少ないことから更新や雇い止め時のトラブルは意外に多い。今回はトラブルが起きないようにその注意点 について掲載するので参考として欲しい。また管理職の有期労働契約も同様なので技量や能力を判断したい場合は有期労働契約を活用するのも一つ方法と言える。利用する場合の雇用契約書についてはその契約内容や方法については労働基準監督署や社会保険労務士に1度相談することをお勧めしたい。
【更新の有無について】
有期労働契約の締結についてその契約時に職員に対して更新の有無を明示しなければならないがその具体的内容としては
① 自動的に更新する ② 更新する場合があり得る ③ 契約の更新はしない |
が考えられる。
【判断基準の具体的内容】
《更新する場合があり得る》と明示した場合には更新の判断基準を明示しなければならない。
① 契約期間満了時の業務量に良い判断する ② 労働者の勤務成績、態度により判断する ③ 労働者の業務を遂行する能力により判断する ④ 経営状況により判断する ⑤ 従事している業務の進捗状況により判断する |
等の明示理由が考えられる。
また労働契約の期間に関する事項は書面の交付または電子メールによって明示しなければならない。
【契約期間についての注意事項】
・一定期間にわたり使用しようとする場合には、その一定期間においてより短期間の有期労働契約を反復更新するのではなくその一定期間を契約期間とする有期労働契約期間を締結するように配慮しなければならない。(努力義務) ・有期労働契約を1回以上かつ雇い入れ日から起算して1年を超えて継続勤務している者には契約の実態や及び労働者の希望に応じて契約期間をできる限り長くするように努めなければならない(努力義務) |
次回は退職、解雇、雇い止め予告、雇い止め理由の明示について掲載します。